介護保険でできる!お得に安全なバリアフリーリフォームをする方法
きっかけは「転びそうで怖い」という一言から
母が70代になった頃、家の段差で軽くつまずいたのを見てヒヤッとしたことがありました。
「まだ大丈夫」と笑っていた母ですが、その瞬間、私は心の中で思いました。
「そろそろ家をバリアフリーにした方がいいかもしれない」
家の中は安全な場所のはずなのに、小さな段差や滑りやすい床が思わぬ事故の原因になることもあります。
実際、介護リフォームは「転倒予防」だけでなく、介助する家族の負担を減らす工夫にもつながります。
ここでは、介護の現場でも多く取り入れられているバリアフリーリフォームの内容と、補助制度の活用ポイントをわかりやすく解説します。
よくあるバリアフリーリフォームの例
① 手すりの設置
玄関・トイレ・浴室・階段など、立ち座りや移動が多い場所への手すり設置は最も基本的なリフォームです。
手すりを取り付けるだけで、転倒リスクを大幅に減らせます。
特にトイレや浴室は滑りやすいため、握りやすい太さ(直径3.2〜3.6cm程度)と高さを選ぶのがポイント。
母の家では、トイレに縦型と横型の手すりを両方設置しました。
「これがあるだけで立ち上がりが楽になった」と本人も笑顔に。
自立を助ける小さな支えこそ、介護の現場で最も効果的です。
② 段差の解消
家の中のちょっとした段差が、実は最も多い転倒原因です。
- 敷居の段差を低くする
- 玄関にスロープを設置する
- 出入り口の段差をフラットにする
といった工事が一般的。
車いすを利用する場合は、廊下の幅(80cm以上が理想)やドアの開閉方向もあわせて確認しておくと安心です。
③ トイレ・浴室の改修
トイレやお風呂は、介護リフォームで最も重要な場所です。
転倒や溺水事故が起こりやすい空間だからこそ、安全性と使いやすさの両立が欠かせません。
たとえば、
- 開き戸を引き戸や折れ戸に変更
- 浴槽と洗い場の段差をなくす
- 床材を滑りにくい素材に変更
- 入浴リフトやシャワーチェアの導入
母の浴室も、浴槽の縁が高くてまたぐのが大変だったため、浅めの浴槽と手すり付きのシャワーチェアを導入しました。
「自分のペースで入浴できるようになって気が楽になった」と話していました。
④ 床材の変更
意外と見落とされがちなのが床の素材です。
滑りにくく、転倒時の衝撃を吸収する素材に変えることでケガのリスクを軽減できます。
フローリングよりも**クッション性のあるビニール床材(ノンスリップタイプ)**がおすすめです。
車いす利用者の場合は、段差や厚みを避け、滑らかに動ける床材を選びましょう。
介護リフォームで利用できる補助金・介護保険制度
介護保険での住宅改修制度
介護保険を利用すると、最大20万円までの工事費用に対し、1〜3割負担でリフォームができます。(2025年現在)
対象となる工事は以下のとおりです。
- 手すりの取り付け
- 段差解消(スロープなど)
- 滑りにくい床材への変更
- トイレ・浴室の改修
- 開き戸から引き戸への変更
利用には、要支援または要介護の認定を受けていることが条件です。
申請の流れ
- ケアマネジャーへ相談
- リフォーム内容を決定
- 見積書と申請書を市区町村へ提出
- 審査・承認後、工事を実施
- 領収書を提出して保険給付(払い戻し)を受ける
「先に工事してしまうと補助が受けられない」場合もあるため、必ず事前申請が必要です。
その他の補助制度
自治体によっては、独自の住宅改修助成制度を設けている場合もあります。
たとえば、
- 段差解消費の追加助成
- 高齢者住宅改修費補助金
- 車いす対応トイレ設置助成
など、地域によって内容が異なります。
ケアマネジャーや役所の福祉課で確認しておくと安心です。
バリアフリー化は「介護のため」だけじゃない
バリアフリーリフォームは、介護が必要な方だけでなく、将来の自分のための準備にもなります。
「まだ早いかな」と思うタイミングで取り入れることで、
転倒やケガを未然に防ぎ、心に余裕をもった生活が送れます。
母の家をリフォームしてから、家族全員が口を揃えて言いました。
「もっと早くやっておけばよかったね」
バリアフリーは、“介護のための家づくり”ではなく、
**「安心して長く暮らすための家づくり」**なのです。
まとめ──安心と自立を支える家に
介護リフォームで多く選ばれるのは以下の4つです。
- 手すりの設置
- 段差の解消
- トイレ・浴室の改修
- 床材の変更
介護保険や自治体の補助制度をうまく活用すれば、
費用を抑えながら安全で快適な住まいを実現できます。
家は「暮らす場所」であると同時に、「生き方を映す場所」。
転ばぬ先のリフォームで、あなたや家族の安心と自立を守る一歩を踏み出しましょう。


