季節に合わない服を着るようになったらどうする?

「真夏なのに、押入れから出してきた厚手のコートを羽織ろうとしている……」

「北風が吹く寒い日なのに、薄手の半袖1枚で出かけようとして困っている」

離れて暮らす親御さんや同居するご家族にこのような変化が現れると、「どうしてそんな服を着るの!?」とびっくりしてしまいますよね。

季節に合わないちぐはぐな服装は、単なる気まぐれや個性の問題ではなく、認知機能の変化や、体温を感じる身体の感覚そのものが変わってきているサインかもしれません。

たまに間違える程度なら心配ありませんが、何度も同じことが続く場合は注意深く見守りたいポイントです。

今回は、季節に合わない服を選んでしまう理由と、ご本人のプライドを傷つけない優しい対応策について解説します!

なぜ間違えてしまう?季節外れの服を選ぶ「3つの理由」

理由もなくちぐはぐな服を着ているわけではありません。ご本人の頭や体の中では、以下のような変化が起きています。

1. 気候に合わせた「適切な判断」が難しくなっている

外の天気や気温の情報を頭で処理し、「今日は寒いから厚着をしよう」「今日は真夏日だから涼しい服を着よう」と論理的に考えて判断する認知機能が低下している可能性があります。

2.衣替えやカレンダーの概念が薄れている

「今が何月か」「現在の季節が春夏秋冬のどれか」という時間や季節の感覚(見当識)がぼやけてしまい、押入れの中にしまってある服との季節感が一致しなくなってしまいます。

3.「暑さ・寒さ」を感じる皮膚感覚の変化

高齢になると、自律神経の働きや体温調節機能が低下し、暑さや寒さを感じる皮膚の感覚が若い頃と大きく変わってきます。

周りが汗ばむような陽気でも本人は「ゾクゾクと肌寒い」と感じていたり、逆に真冬でも「カッと体が熱い」と感じているケースがあります。

「その服は変よ!」と叱るのはNG!家族が試したい4つの工夫

1. 否定せずに「共感+優しい提案」をする

「そんな服を着たらおかしいでしょ!」と頭ごなしに否定されると、ご本人は恥ずかしさと混乱から頑固になり、意地でも脱がなくなってしまうことがあります。

まずは「今日はちょっと外の風が冷たいみたいだから、こっちの上着も羽織ってみようか!」「素敵な服だね。でも今日はとっても暑いから、こっちの涼しいシャツも似合いそうだよ」と、気持ちに寄り添いながら自然に別の服を提案してみましょう。

2. クローゼットの中を「今の季節の服だけ」にする

目の前に選択肢が多すぎると、脳が混乱して服選びでパニックを起こしやすくなります。

思い切ってクローゼットやタンスの中を整理し、今着るべき「季節に合った服」だけを並べておきましょう。

オフシーズンの服は別の部屋や見えない場所に一時的に保管しておくだけで、間違った服を選ぶリスクを劇的に減らすことができます。

3. 上下一式をセットにして準備しておく

ご自身で服を選ぶ楽しみを残しつつ失敗を防ぐために、「今日のコーディネート」として上下の服をハンガーにセットして出しておいてあげるのも非常に効果的です。

4. 服装以外の「生活全体の変化」もチェックする

季節外れの服装が見られるようになったら、それ以外の日常生活の場面もそっと観察してみましょう。

・日付や曜日が分からなくなることが増えた

・よく使う家電の操作方法を忘れてしまった

・ご飯を食べたことや約束事を忘れてしまう

こうした変化が重なっている場合は、認知症が少しずつ進行している可能性が高いため、早めの対策が安心に繋がります。

まとめ

季節外れの服を着てしまう背景には、本人なりに「寒いと感じている」「目の前にある大好きな服を着た」といった純粋な理由があります。

周りが「変だからやめて!」と責めるのではなく、ご本人が迷わずに適切な服を選べるような「環境」をスマートに整えてあげることが一番の解決策です。

「最近、着替えのサポートが大変になってきた」

「服装以外にも、ちょっとした行動の変化が心配……」

そんな時は、ぜひ訪問看護や地域包括支援センターなどの専門職を頼ってください。

訪問看護師が定期的にご自宅を訪問し、体調管理だけでなく、ご本人が無理なく安全に過ごせる環境づくりをプロの視点から優しくアドバイスいたします。

家族だけで抱え込まず、私たちと一緒に大切な親御様の安心の暮らしを守っていきましょうね!

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