「今日が何日かわからない」は認知症の危険信号?

「ねえ、今日は何月何日だっけ?」

高齢のご家族から何度も日付を聞かれると、「もしかして認知症が始まっているのかな……」と不安になってしまいますよね。

日付や曜日を忘れることは、疲れや日々の生活リズムの変化でもよく起こるため、一度分からなくなっただけで即座に認知症だと決めつけることはできません。

ですが、以前に比べて質問の頻度が明らかに増えたり、生活の中で困りごとが出てきている場合は、脳の認識力(見当識)が低下しているサインかもしれません。

今回は、「今日が何日かわからない」背景と、ご家族がチェックしておきたい重要なポイントについて解説します。

「日付がわからない」の背景にあるものとは?

日時や曜日、今いる場所などを正しく把握する力のことを専門用語で「見当識(けんとうしき)」と呼びます。

認知症が進行すると、この見当識が少しずつ低下していきます。

・今日の日付や曜日が思い出せない

・今が朝なのか夕方なのか分からなくなる

・季節外れの服を選んで着てしまう

・病院の予約日や予定を何度も確認してくる

ただし、定年退職などで毎日決まった予定がない生活を送っていると、日付を意識する機会が減り、健康な方でも一時的に分からなくなることは珍しくありません。

ただのド忘れ?注意したい3つの「変化」

単なる日付忘れなのか、専門職へ相談すべきサインなのかを見極めるには、日常生活の「他の変化」にも目を向けることが大切です。

1. 伝えた直後にまったく同じ質問を繰り返す

日付を教えて「そうかい」と納得したはずなのに、数分後にまた「今日って何日だっけ?」と聞いてくる場合は、直前の会話を記憶する能力(短期記憶)が低下している可能性があります。

2. 日時やスケジュールの管理ができなくなる

病院の予約日を間違えて行ってしまったり、薬を飲む曜日を間違えたり、支払期限を守れなくなるなど、実生活に支障が出始めている場合は注意が必要です。

3. 時間だけでなく「場所」も怪しくなってくる

日付だけでなく、慣れたはずの近所で迷子になったり、「ここは自分の家じゃない」と言い出したりする場合は、見当識障害が進行しているサインです。

ご家族が家でできる温かいアプローチ

・「さっきも言ったでしょ!」と責めない

何度も聞かれるとイライラしてしまいますが、強めな口調で返すとご本人の不安感やパニックが強まってしまいます。

毎回「今日は〇月〇日だよ」と優しく教えてあげることが大切です。

・見えやすい場所に「大きな日めくりカレンダー」を置く

リビングや本人がよく座る場所の正面に、文字が大きくてパッと見やすい日めくりカレンダーやデジタル時計を設置してみましょう。

・ご本人の「様子」をメモに残しておく

「いつ頃から日付を聞くことが増えたか」「他にどんな言い間違いやミスがあるか」をメモしておくと、後で専門機関へ相談する際にとても役立ちます。

困ったときは一人で悩まず専門機関へ相談を!

「今日が何日かわからない」という変化の裏には、生活リズムの影響もあれば、認知機能の低下が隠れている場合もあります。

ご家族だけで抱え込んで「どうしよう」と悩み続けてしまうと、精神的にも疲弊してしまいます。

もし日付忘れ以外にも生活上の困りごとが増えてきたと感じたら、地域包括支援センターやケアマネジャー、あるいはご利用中の訪問看護・訪問介護スタッフへ気軽に相談してみてください。

日頃からご本人に接している専門スタッフの視点が入ることで、ご家族では気づきにくい小さな変化を共有でき、適切なサポートや予防策を一緒に考えていくことができますよ。

まとめ

「今日が何日かわからない」という一言だけで、すぐに認知症と決めつけることはできません。

生活リズムの乱れや一時的な疲れが原因であることも多いため、まずは焦らず様子を見ることが大切です。

ただし、同じ質問を何度も繰り返したり、スケジュールが管理できなくなるなどの変化が重なっている場合は、ご家族だけで抱え込まず、早めに専門職へご相談くださいね。

ご本人の自尊心を守りつつ、不安を和らげる環境を周囲の専門家と一緒に整えていきましょう!

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