認知症の方の家族が毎日同じ質問をされても疲れない考え方
「今日は何曜日?」
「ご飯はまだかしら?」
「明日の病院は何時に行くの?」
認知症のご家族を介護していると、毎日のように何度も同じ質問を繰り返されることがありますよね。
最初のうちは優しく答えていられても、何十回と繰り返されるうちに「さっきも答えたでしょ!」とイライラしたり、心がどっと疲れてしまうのはごく自然なことです。
大切なのは、「イライラしないように無理に耐える」ことではありません。
今回は、同じ質問を繰り返されたときに、ご家族の心の負担を少しでも減らすための考え方と工夫をご紹介します!
1. 「わざと困らせようとしているのではない」と知る
認知症が進行すると、直前の出来事や聞いた内容を記憶する「短期記憶」が難しくなります。
そのため、ご本人は「さっきも聞いた」という事実すら忘れてしまい、毎回フレッシュな気持ちで「初めて質問している」状態なのです。
ご家族を試したり困らせたりしようとしているわけではない、と理解するだけでも、感情のぶつかり合いを少し防ぐことができます。
2. 「正しく説明する」より「安心感を与える」
何度も聞かれると真面目に答えたくなりますが、ご本人は正しい情報(日付や時間)そのものよりも、「不安を解消して安心したい」という気持ちで質問していることがよくあります。
毎回詳しい理由を説明しようと力む必要はありません。
「大丈夫だよ」「あとで一緒に行こうね」といった優しく落ち着いた声かけをするだけで、ご本人の心がスッと落ち着くケースも多いのです。
3. カレンダーや張り紙などの「環境の力」を頼る
毎回自分の口で答えていると、ご家族のエネルギーが削られてしまいます。
・本人の目につきやすい場所に「大きな日めくりカレンダー」を置く
・「本日の予定」を大きな文字でホワイトボードに書いておく
・見やすい位置に大きなデジタル時計を設置する
「あそこを見れば分かるよ」と一緒に確認する習慣を作ることで、何度も口頭で答えずに済む工夫を取り入れてみましょう。
4. 「今日は何回目かな?」とゲーム感覚で流してみる
真っ正面から受け止め続けると、どうしても心が疲弊してしまいます。
そんなときは「今日はこれで5回目だな」「また安心したくなったんだな」と、少し引いた視点(客観的)で捉えてみるのも一つの手です。
どうしても余裕がない日は「今ちょっと疲れているな」とご自身の限界を認め、少し別の部屋へ移動して深呼吸する時間を作りましょう。
5. 一人で抱え込まず、外部の専門職へバトンタッチする
毎日続く介護の中で、ご家族だけで完璧に対応し続けるのには限界があります。
「家族なんだから自分がしっかりしなきゃ」と思い詰める必要はまったくありません!
ケアマネジャーへの相談をはじめ、訪問介護や訪問看護といった在宅サービスを上手に活用してみましょう。
ホームヘルパーや訪問看護師などのプロが自宅に入り、ご本人と接する時間を少しでも作ることで、ご家族が「介護から離れてホッと息を抜ける時間」が生まれます。
プロの視点から「こういう声かけをすると落ち着きますよ」といった具体的なアドバイスをもらえるのも大きなメリットです。
まとめ
認知症の方から何度も同じ質問をされて疲れてしまうのは、あなたがそれだけ一生懸命にご本人と向き合っている証拠です。
ご自身を責める必要は一切ありません!
介護は短距離走ではなく、長く続いていくマラソンのようなものです。
完璧な対応を目指すのではなく、便利グッズや工夫を取り入れながら、上手に手を抜いていきましょう。
そして限界を感じる前に、訪問介護や訪問看護などの専門スタッフの力をどんどん頼ってくださいね。
ご家族自身の心と体の健康を第一に考えて、無理のない介護の形を一緒に作っていきましょう!


