【現場でよく聞く悩み】認知症が進行したら老人ホームに入れるべき?後悔しない判断の考え方
「認知症が進んできたら、もう老人ホームに入れた方がいいのだろうか」
この悩みは、介護をしている家族だけでなく、 これからの生活を考えるご本人にとっても、とても重く、簡単に答えが出ない問題です。
訪問看護や介護の現場でも、
「まだ自宅でいけるのか」 「このまま続けて大丈夫なのか」
という相談は本当に多く寄せられます。
結論から言うと、認知症が進行したからといって、必ず老人ホームに入らなければならないわけではありません。
この記事では、制度説明だけでは分かりにくい
- 認知症が進行したときのリアルな変化
- 老人ホームを検討する具体的なタイミング
- 在宅と施設、どちらを選ぶにしても後悔しにくい考え方
を、現場目線の実体験を交えながら、分かりやすく解説します。
そもそも「認知症の進行」とはどういう状態?
認知症は、単なる物忘れとは違います。
進行すると、
- 記憶力
- 判断力
- 理解力
が徐々に低下し、生活全体に影響が出てきます。
現場でよく見られる変化としては、
- 金銭管理ができなくなる
- 服薬管理が難しくなる
- 着替えや入浴に声かけや介助が必要になる
といったものがあります。
さらに進行すると、
- 徘徊
- 昼夜逆転
- 不安や興奮、被害妄想
などの症状が現れることもあります。
ここで大切なのは、
進行のスピードや症状の出方には大きな個人差がある
という点です。
老人ホームにはどんな種類がある?
特別養護老人ホーム(特養)
- 要介護度が高い方向け
- 原則、常時介護が必要な方が対象
- 費用は比較的抑えめ
ただし、人気が高く入居待ちが長期化しやすいのが現実です。
介護付き有料老人ホーム
- 24時間体制で介護スタッフが常駐
- 医療機関と連携している施設も多い
- 認知症ケアに力を入れている施設もある
設備やサービスが充実している分、費用は高めになる傾向があります。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
- 原則、要介護2以上が対象
- 少人数での共同生活
- 家庭的な雰囲気
「できることを続けながら暮らす」ことを大切にした施設です。
認知症が進行したときに老人ホームを検討する目安
1. 家族だけの介護が限界に近づいたとき
介護量が増え、
- 睡眠不足
- 仕事や家庭生活への影響
- 常に気が休まらない状態
が続いている場合、家族が先に限界を迎えてしまいます。
現場では、
家族が倒れてから初めて相談に来る
というケースも少なくありません。
施設を頼ることは、決して逃げではなく、現実的な選択肢です。
2. 自宅生活に明確な危険が出てきたとき
- 夜間の徘徊
- 火の消し忘れ
- 転倒や骨折
- 外出先での迷子
こうしたリスクが増えてきた場合、 24時間見守りのある環境は大きな安心につながります。
3. 医療や専門的ケアが常に必要になったとき
- 服薬拒否
- 食事拒否
- 持病の管理が難しい
こうした状態では、 医療と介護が連携している施設が大きな支えになります。
老人ホームに入れる前に考えておきたい大切なこと
本人の気持ちは、最後まで尊重する
認知症があっても、
- 不安
- 安心
- 居心地の良さ
を感じる心は残っています。
「もう分からないから」と決めつけず、 できる範囲で気持ちを確認することが大切です。
在宅サービスという選択肢も忘れない
- 訪問看護
- 訪問介護
- デイサービス
- ショートステイ
これらを組み合わせることで、 すぐに施設入居をせずに済むケースも多くあります。
一人で判断しない
介護は、
情報不足のまま決断すると、後悔しやすい
分野です。
- ケアマネジャー
- 主治医
- 地域包括支援センター
など、専門職と一緒に考えることで、 選択肢が広がります。
まとめ|正解はひとつではない
認知症が進行したからといって、 必ず老人ホームに入れなければならないわけではありません。
一方で、
- 安全面
- 介護負担
- 本人と家族の生活の質
を考えると、施設での生活が最善になるケースも確かにあります。
大切なのは、
「どこで暮らすか」よりも、 「安心して暮らせるかどうか」
一人で抱え込まず、 専門家の力を借りながら、 その時々に合った選択をしていきましょう。


